完璧主義の弊害に対する治療法

スロースターターとボトルネック

今回の記事では完璧主義の弊害をテーマに、その治療法を含めて書いてみる。まず完璧主義の弊害の一つに、スロースターターというものが挙げられる。これが何故起こってしまうのかといえば、完璧主義な人は一度その物事に取り組むと、最終的に完璧に仕上げるまでにどれだけの時間と労力が必要なのかを潜在的に見積もってしまうために、中々取り組む気にならないということがある。またそのハードルを乗り越えて一旦取り組んだとしても、二つ先の物事をやるために一つ先の物事がボトルネックになっていることは良くある。そういったボトルネックが複数存在する場合、そのボトルネックの作業に必要以上に拘り、結局その先の全ての作業がストップしてしまうということがある。例えば油絵を描くためにはそのための画材が必要だ。そして画材には様々な種類とクオリティの差があり、どの画材が良いのかというリサーチを徹底的にしてしまうと、絵を描くという作業が先延ばしになるし、それだけで疲れてしまう。制作においては追い詰められれば追い詰められるほど火事場の馬鹿力的に良い作品が生まれてしまうという可能性は常にあり、そういったものに対する無意識の選択が働いてしまっている可能性もある。しかし基本的にはこういった準備に関する寄り道やスロースターターでいるよりも、24/7アトリエで生活/制作するような意識と手の動かしを止めない方が素早く成長する。なのでそうしないための言い訳になるならば、これは完璧主義の弊害ということになる。

ブリコラージュ的な発想

ではそんな状態を解消するためには何をすればいいかと言えば、一つはブリコラージュ的な発想を投入すること。ブリコラージュとは「身近にある物の寄せ集めで完成させる」という意味があり、これは日曜大工的な発想の延長線上にある。完璧主義的のシステムがトップダウン的な発想だとするならば、ブリコラージュ的なシステムはボトムアップ的に手を動かしながら考えるという発想になる。究極的にはトップダウン的な発想とボトムアップ的な発想は同時並列的に起こっているのが理想であり、様々な角度のコンセプトを考慮しつつも、手を動かしながら最適化を図るのが理想である。しかし完璧主義の傾向が強い人はトップダウン的に物事を考え過ぎる傾向にあり、その傾向が強すぎると何も完成させることができずに、時間だけが経過してしまうという状態になりかねない。それに対してブリコラージュ的な発想は、完璧主義の弊害に対する治療法として有効に機能する。

マイルストーンの組み合わせ

他にもマイルストーン的に小さく分割した目標を設定し、それに沿って動く、もしくは異なるマイルストーン同士を組み合わせるというのもありだ。例えば掃除に関しては、一度取り組み始めると徹底的に綺麗にしないと満足しないために、むしろ日常的に部屋を汚くしてしまうということはあり得る。それに対処するためには、ある程度のところまでやって、途中で止めるという考え方が必要である。そのためには異なる小さなマイルストーン同士を組み合わせることが有効に機能する。具体的には部屋が汚いので、制作に必要なハサミが見付からないという状況があったとする。その場合はハサミが見付かるまで、部屋の掃除を続けるというマイルストーンの組み合わせを設定してみる。するとハサミを見付けるという小さな目標と、部屋を掃除するという小さな目標が重なり合い、一石二鳥の状態を作ることができる。しかも一つ一つのタスクは労力が小さいので、取り組みやすいというメリットもある。これによって汚い部屋で延々とハサミを探し続けるという不毛な労力と、部屋を完璧に片付けなければならないという不毛なストレスから解放され、両方を効率良く行いながら目標を達成することができる。この目標を小さく分割し、組み合わせるという発想、途中で止めるという切断、適当であるという自由さは完璧主義に効く薬である。

負けず嫌いという成長の阻害要因

最後に完璧主義に付随しがちな性質である、負けず嫌いについて。これは例えばスコアに関して一度でも負けたら全てを無にするためにリセットしたい、自分の技術がある程度上がるまでは人前で一切見せたくないなどの心情/態度と深い関わりがある。こういった心情/態度は実は物事を学習するためには一番有害かつ非効率的なものだ。自分が全くできない状態で上級者たちが群がっている場に食らい付き、最初は笑われながらも上を目指していく姿勢というものが学習にとっては必要であり、最終的には一番成長が早い。成長にとっては別に何回負けたっていいし、何度失敗してもいいから最終的にそこに到達するという根拠のない自信と、場違いな中でその現場に居続け、物事に取り組み続けることが最も重要なファクターだ。もちろん完璧主義で負けず嫌いであるという性質は悪いことばかりではなく、そういった性質があるから常人には考えられないレベルに到達している人は沢山いる。なので大事なのはそれらの性質を無理に変えようとするのではなく、むしろメリットとデメリットを客観的に認識し、いかにメリットを活かしつつデメリットを武器に変えていくかという発想の転換にあるのだ。

1日でオーストラリアのワーキング・ホリデー・ビザ申請を完了する方法

ワーキング・ホリデー・ビザ申請への道のり

注意点

まず最初に断っておくが、今回の記事の内容は誰にでも真似できる方法ではなく、また完全に真似したとしてもオーストラリアのワーキング・ホリデー・ビザ取得を約束するものではない。またワーキング・ホリデー・ビザの申請の条件と方法は国によってかなり異なり、随時それらの情報は更新されている。よって各駐日外国公館などのウェブサイトを通して、自ら最新情報を調べながら申請することが大前提となる。通常は申請の1年前、もしくは遅くとも数ヶ月前にはしっかり準備を済ませ、申請に挑むというのが正しい態度だろう。しかし正しさは常に脆く、儚いものであり、人には様々な事情が存在する。年齢制限の壁、残高証明、生活費用の準備、申請可能期間、入国猶予期間の存在、大使館への申請予約、健康診断の有無など国によって様々な条件が壁として立ちはだかり、申請には当初の予想より遙かに時間がかかるものだ。例えばドイツのワーキング・ホリデー・ビザの申請条件を満たすためにお金を必死で貯めたら、ドイツの場合は申請日から90日以内に入国しないとビザが無効になることを知り、その条件だと厳しいのでオーストラリアのワーキング・ホリデー・ビザを申請し、取得した人もいる。これはそんな紆余曲折を経ながら、ワーキング・ホリデー・ビザ取得に成功した人による物語である。ちなみにこの情報は2018年5月初旬のものであり、それ以降の情報の信憑性は担保しないことをここに明記しておく。

個人的な道のり
参照ウェブサイト

一般社団法人日本ワーキングホリデー協会

ワーキングホリデー初心者でも安心!費用・仕事・ビザなど徹底解説!【留学くらべ〜る】

まずワーキング・ホリデー全般に関しての情報は上記二つのウェブサイトが参考になる。実際にワーキング・ホリデー・ビザを申請する際にはこれらのウェブサイトの情報のみで申請するのは危険だが、日本とワーキング・ホリデーの協定を結んでいる国の概要情報や申請条件、方法をざっと横断的に把握し、比較するためには便利だ。特に1番目のウェブサイトではワーホリ協定国を知ろう!、2番目のウェブサイトでは一番下の「ワーキングホリデーお役立ち情報」のリンク先のページが使える。これらのウェブサイトの情報を元に、より詳しく知りたい場合は他の検索ワードなどで探すか、もしくはビザ申請情報については各駐日外国公館の公式ウェブサイトを参照するのが良い。ちなみに国によっては駐日外国公館が直接ワーキング・ホリデー・ビザの発給とは関わっていない場合もあるが、どちらにせよチェックはしておいた方が良いだろう。

申請条件と方法のチェック

ワーキング・ホリデーについて当初はドイツしか目に入っていなかったが、視野を広げてみれば現時点で20ヶ国程度の協定国があり、どの国も調べてみると面白そうに思えてくる。例えばデンマークの「フォルケホイスコーレ」という全寮制成人教育機関には非常に興味を惹かれたし、台湾は現代美術が盛んで日本人にとって旅行先としてもお薦めの場所になっているみたいだ。しかしまずは申請条件と方法をチェックして自分の条件に合うか合わないかをチェックしなければ意味がないので、全ての国についてチェックしてみる。するとイギリス、カナダ、アイルランドのように抽選によって選ばれる国があったり、ヨーロッパのほとんどの国は入国猶予期間が3ヶ月しかないことに気付く。変わったところではポルトガルでは犯罪経歴証明書が必要になり、これは発行に時間がかかる。年齢制限に関しては申請が満31歳前日までのところが多かったが、微妙に各国条件が異なっていたりするし、オンライン申請可能な国があったり、大使館の予約が混雑していて1ヶ月先にしか予約が取れなかったりする。ちなみにオンラインで予約が取れなくても、ウェブサイトで救済措置がないとお断りがしてあっても、直接大使館に問い合わせることで何とかなる場合もあるが、何ともならない場合もあるのでやはり事前準備は大切だ。

国の決定

申請条件と方法に関して全ての国をチェックした結果、自分の状況と照らし合わせて現実的なのはオーストラリア、ニュージーランド、台湾の3ヶ国のみであることが判明した。行きたい国は他にも色々あったし、特にシェンゲン協定のあるヨーロッパ各国のどこかの国に滞在することができれば、その国を拠点としてその他の国へ渡り歩くことができる。なので第1希望としてはドイツ、無理ならその他のヨーロッパの国々だったのだが、ヨーロッパ各国は軒並み入国猶予期間が90日以内のところが多く、それが条件に合わなかった。しかし逆に言えば条件の合う国が現実的に3ヶ国しかないということで、一気に対象国を絞ることができた。オーストラリアとニュージーランドはぶっちゃけ条件は余り変わらない。残高証明、航空券、保険などは申請時に必ずしも証明しなくても良く、オーストラリアは数万円程度の申請料がかかり、ニュージーランドは指定された病院での健康診断結果が必須になるくらいの違いだ。環境としてもそこまでの違いはなく、人が少ない場所、かつ将来的な永住権獲得を目指すならニュージーランド、それらを考慮に入れず、給料が高く、広大で大都市が多い方を取るならオーストラリアといった感じ。個人的にはトライポフォビア的にきついものがあるが、アボリジナルアートに興味があるのと、現在オーストラリアはワーキング・ホリデーの年齢制限を35歳まで引き上げようとしており、セカンド・ワーキング・ホリデーの可能性も考慮に入れつつ、アーティスト・イン・レジデンス、スキューバダイビング、留学資金貯金などのことも考えてオーストラリアを選択した。台湾も現代美術の観点から迷ったのだけれど、ワーキング・ホリデーとしてより普通にまず旅行として行けば良いと判断した。

ワーキング・ホリデー・ビザ申請手続き

さて肝心のオーストラリアのワーキング・ホリデー・ビザ申請手続きについてだが、基本的には以下のウェブサイトを参照してほしい。

ワーホリビザ申請方法

実際にはビザ申請ステップ1〜ビザ申請ステップ4をそのまま入力して終わりだ。英語ができるなら翻訳の部分は見なくても良いが、1字1句間違えてはならない部分もあり、入力方法には多少トリッキーな部分もあるので確認の意味で参照しつつ慎重に進めた方が良い。特に難しい部分はないが、上記のリンク先を参照した場合に迷いやすい部分についての補足情報を以下に載せておく。

・PhoneやMobile Phoneなどは先頭の0を抜いて代わりに81を加えた番号を記入する必要がある。0は国内電話、81は国際電話と覚えておくと良い。

・Passport place of issue/issuing authorityはパスポートに書いてあるままを入力。大抵の人の場合はMINISTRY OF FOREIGN AFFAIRSになる。

・What is your usual occupation?は自分の職業、本業をそのまま書けば良い。ちなみに自分の場合はSelf-employedにしておいた。

・What industry do you intend to seek employment in?は迷ったが、どんな仕事をしたいか素直に選択すれば良い。ちなみに自分の場合はArts and Recreational Servicesにしておいた。

・In the last 5 years, have you visited, or lived, outside JAPAN for more than 3 consecutive months (other than Australia)?これは当てはまったのでYesにした。すると別の問いで過去5年以内の日本とオーストラリア以外で3ヶ月連続で滞在した国の名前と入国日、出国日を全て書かされるはめになった。これに関してはパスポートの査証の部分のスタンプで全て判断したが、アメリカは出国時にスタンプを押さないので、日本の帰国時のスタンプの日付を元にGmailで過去の航空チケットの日付を探すという苦行が発生。ちなみに渡航歴は以下のように法務省を通して開示請求可能だが、その場合は1日での申請完了は到底無理になるので注意。

出入(帰)国記録に係る開示請求について

申請を終えて

申請を終えると、登録したメールアドレスに一瞬にしてIMMI Acknowledgement of Application ReceivedとIMMI Grant Notificationが添付されたメールが届き、申請完了どころかビザ発給が済んでしまった。つまり実際には1日どころか申請開始から数時間程度でビザ発給まで完了するという超速展開だった。オーストラリアへの出発は約1年後になる予定だが、ドイツやアイスランドなどのヨーロッパ、北欧を含めてアーティスト・イン・レジデンスなどに申し込んでみたいし、先述したデンマークの「フォルケホイスコーレ」も気になっている。今年1年はソロ活動と新芸術校、エンジニアリング能力の向上と仕事の獲得、貯金と一人暮らしに大体の時間と労力を注ぎ込む予定だが、来年、再来年は海外でのワーキング・ホリデー、アーティスト・イン・レジデンス、留学などがメインになってきそうであり、そこで改めてAnrealmsのチーム活動をメンバー集めから再始動したいと思っている。目の前はやることに埋め尽くされているが、そのやることが全てやりたいことであるならば、日常は輝き始める。その第一歩として年齢的にワーキング・ホリデーのチャンスがある方は、今からでも色々調べてみてはいかがだろうか。

ブラックバイトの非常識な常識 後編: ブラックバイトの現場と対応

ブラックバイトの現場と対応

前編では主に日雇い派遣一般とブラックバイトの募集についての特徴を書いたが、後編ではブラックバイトに採用された後の事柄について書いてみる。いざ目出度くブラックバイトに採用された後は現場に行き、奴隷労働という名の筋トレを経て給料をもらうことになる。そのブラックバイトの現場と対応についても特徴があるので、以下の五つの項目にまとめてみた。

・基本的に日雇い派遣の仕事に関わる人間は人間性を喪失しており、現場は動物園と化している。

・業務内容に関する説明がなく、ミスをすれば一発アウトで怒号が飛び交う。

・残業した際にタイムカードを勝手に押される。

・常識の範囲で分かるはずの説明書きが、脅しのようにあらゆる場所に貼ってある。

・こちらから言及しないと働いた分の給料を振り込まない。

これらについて、以下で項目ごとに詳細を説明していく。

基本的に日雇い派遣の仕事に関わる人間は人間性を喪失しており、現場は動物園と化している

日雇い派遣の現場は動物園である。業務内容は誰でもできるものであるが故に、誰にもできないほど過酷なものであり、長年その業務に携わってきた人間は人間性を喪失して生物として退化した状態にある。つまり簡単に言えば言語が通用しない。最初からストレス値がマックスの一触即発状態なので、通常であれば関わってはいけないタイプの人間が数多くいるのだが、仕事なので関わらざるを得ない。そういう意味で業務内容よりも、職場の人間関係の摩擦に耐えられるかどうかというのが日雇い派遣の最も難しい部分になってくる。

業務内容に関する説明がなく、ミスをすれば一発アウトで怒号が飛び交う

日雇い派遣の場合、業務内容に関する説明が一切ない場合がある。明日にはいないかもしれない初心者に毎回説明をするのはコストであると考えればその状態は全く理解できないわけではない。しかし結果として何も説明しないで初心者に業務をやらせた場合はミスを生み、また二度とその仕事を受けたくないという気にさせるという意味でそのコストは最終的に現場が支払うことになる。また説明を一切しないのに決まり事が無数にあり、ミスをすれば一発アウトで怒号が飛び交う場合がある。人間の短期記憶は海馬が担っており、海馬はミスをすることで物事を覚えるという脳科学の基本が分かっていないのだろう。説明をした上でミスを修正しながら覚えてもらうというのが初心者に対するベストな方法だが、説明コストを省いた上でミスを一回も許さず、怒鳴るという方法で矯正しようとするというのは考え得る限りで最悪の新人育成方法である。

その悪い意味でのマウンティングによって扁桃体を恐怖で支配し、ブラックな体質を身体レベルで仕込むというのがブラックバイトの狙いでもあるのだろう。例えば荷物を検査する台に流し込む業務の際に何も説明されずにやってと言われたのでやっていた。その時分からないことがあったので質問したらその人は無視し、動物的な変な唸り声を上げながら段ボールにマジックで書き、こちらを睨み付けながら元の場所に戻っていった。なのでその段ボールをそのまま流し込んだらまた凄い勢いで唸り声を上げながら飛んできて、段ボールの向きを変えたり、ある時にはこちらを睨み付けて荷物を取り上げて別の場所に移動したりしていた。どうやら荷物には様々なシールが貼られており、流してはいけない物や向きが決まっている物があったり、シールが貼られていない物でも物によって様々な流し方のルールがあるらしい。

結局質問しても無視されるし、流れを止めずに次々に荷物を流してほしいみたいなので、その人の流し方を見様見真似で流す。しかし新しい種類の荷物の場合は流し方が分からないし、そもそもルールの説明もされていないので、この状態でミスすることを防ぐのは人類であれば不可能だ。結局その後も何も説明しないのでそのまま荷物を流し込み続けては、その動物が唸り声を上げて荷物を取り上げたりしつつ、こちらを睨み付けるという謎の儀式が繰り返された。この場合最初に一度説明するコストを支払う方が、ミスの起こる回数 = 唸り声を上げる回数 = 修正する回数のコストを支払うより余程コストが少ないと思うが、もはやその動物はパブロフ犬のように謎の儀式を繰り返したいようにしか見えなかった。自分が人間だと思って接した人間が人間ではなく、言語を解さない何かしらの動物だったのには少なからずショックを受けたが、他の立場の偉そうな人にはにこやかに日本語を話していたので、全く言語を解さないわけではないみたいだ。彼もまた現場が生んだ悲劇のモンスター (犠牲者) だったのだろうか。これが日雇い派遣動物園の現状である。

残業した際にタイムカードを勝手に打刻される

また残業した際にタイムカードを勝手に打刻されたこともある。これに関しては様々な法律に明確に違反することが考えられ、グレーな部分など何一つ存在しない闇そのものである。噂には聞いていたけれどこんな分かり易い違法行為をする会社が普通に存在しているという事実を目の当たりにし、呆れすぎて逆に笑ってしまった。この場合は派遣会社にその事実を伝えた上できっちり残業した時間までの給料を支払わせたが、証拠がある場合は労働基準監督署に普通に通報するべき案件だろう。タイムカードを勝手に打刻する理由としては残業代金を支払いたくない、もしくは残業代金の支払い金額を抑えたかったからだと推測される。またこの現場に関しては夜勤と残業を含めて実働15時間というあり得ない現場だったのだが、他にも様々なモラル違反、法律違反ぎりぎりの所業が行われており、早くこの会社や人々から仕事を奪うためにAI化を進めなければならないと確信した。

常識の範囲で分かるはずの注意書きが、脅しのようにあらゆる場所に貼ってある

注意書きが省略される度合いは、それに関わる人間の平均的な程度を示している。例えば大半のApple製品の説明書が紙1枚でその他のメーカーのマニュアルのように分厚くないのは、デザイン上の戦略もあるが基本的にはユーザーの質を信じているからだ。だとすれば職場のあらゆる場所に常識の範囲内の注意書きが貼ってあるというのは、それに関わる人間の平均的な程度の低さを示していると言える。例えば「トイレにカップラーメンの汁を流さないでください」などはその代表的なものだろう。また脅しのような文面に関しても扁桃体に働きかけなければ言うことをきかないという点で、動物の躾と同様に考えられているということを示している。例えば「飲み物は飲んだ奴がゴミ箱に捨てろ!」などがその代表例として挙げられる。過去に「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」などの文面が、逆に心理誘導されていて気持ち悪いと感じたことはあるが、上記のような常識の範囲内、脅しのような文面に比較すればまだ文明以降の注意書きであり、効果もある分余程ましであると感じられる。

こちらから言及しないと働いた分の給料を振り込まない

最後に給料の振り込みについて。上記のような募集内容の矛盾、交通費の自腹での支払い、過酷な現場などの様々な障害を乗り越え、最終的には派遣会社がマージンを抜いた末に雀の涙程度の給料を受け取ることになる。しかしさすがはブラックバイト、この局面でも問題が発生することが多々ある。まずは給料未払い問題。例えば振り込みの方法をあえて煩雑にし、ある特定の条件を労働者の側が積極的に満たさないと給料を支払わないという仕組みになっていることがある。こういったものに関しては事前に詳しく仕組みを聞いておくべきだろう。

また一度あった例としては日雇い派遣で銀行の翌営業日に振り込みと言っていたので、振り込まれるのを待っていた。すると後に振り込み料金はこちらの負担であることが発覚し、そして連勤が全て終わってから振り込まれることが発覚した。ここまではまだ許せたが、連勤が終わり、銀行の翌営業日になっても一向に振り込まれないので派遣会社の担当の人に確認の電話をした。すると「あ〜振り込みね。じゃあ振り込めば良いのね。そもそも振り込み先って聞いてたっけ?」と言われた。つまり振り込みを忘れて期限を過ぎていることに対する謝罪もなく、言葉遣いにビジネスマナーの欠片もなく、振り込み先すら確認していないというあり得ない対応をされたことになる。これは振り込み期限を指定しないとまずいと思い、明日中に振り込んでほしいと指定。案の定それを指定しなければその週終わりに適当に振り込んでおけば良いと思っていたらしい。また振り込み直前に一度伝えた口座番号を確認されるなど、契約としてもビジネスとしても破綻していたものの、何とか給料は全額回収した。日雇い派遣とは要するに情弱ビジネスでもあるので、自分で調べて意見を述べないと延々と利用されることにもなる。特に給料に関しては泣き寝入りするのではなく、堂々と自分の権利を主張するべきだ。

今回の連載記事のまとめ

以上今回の連載記事ではブラックバイトの非常識な常識をまとめてみた。その非常識ぶりは改めて自分でまとめてみても驚くばかりである。クリエイティブクラスの仕事以外の仕事は基本的に筋トレだと思って処理しており、アーティストとしては闇が深ければ深いほどネタの宝庫であるという意味においてブラックバイトでも辛いことは余りない。しかし怪我をする可能性の高い現場は筋トレとしても危険だし、余りにも動物園の檻の中すぎる現場はATフィールドが精神汚染によって浸食されることもある。前者に関しては今回ヘルメットをしていなければ死んだか重傷を負っていたかもしれない局面が一度あり、ゴム手袋をしていても重いオリコン同士に挟まれて軽い怪我をしたし、マスクが黒ずんでいたことを考えてもダメージはゼロではないだろう。後者に関してもストレスは脳に損傷を与えることは科学的な事実であり、ミラーニューロンによって悪影響を学習してしまうことはあり得るという意味で、自身がいかに強靱な精神力を持っていたとしても劣悪な精神環境が有害であることに変わりはない。

今回は作品、展覧会制作費などによって資金が尽きた時に、学費と海外活動という2大資金のタイミングが重なったことによりブラックバイトを集中的に引き受けることになってしまった。しかしそもそも日雇い派遣の仕事は一切やらないということが最高の地雷避けであり、社会貢献でもある。また確証はないものの、日雇い派遣の仕事を引き受けるようになってから、Apple IDのメールアドレスとパスワードに対してクラッキングを受けるようになった。これはつまり派遣会社に情報を売られている可能性も考えられるということだ。さらに今回の経験を経て、派遣の業務は募集する際に派遣先の会社名と具体的な業務内容を書かせることを義務付けるべきであるという結論に至った。何故ならそれだけで大まかな地雷避けにはなるはずだからだ。今日も明日も明後日も被った狼の皮を隠そうともしない獰猛な羊飼いたち (派遣会社の社員) は迷える子羊たち (派遣労働者) に電話をかけ続けるだろう。今回の経験を自らの血肉とし、今後はできるだけブラックバイトをやるのでもやめさせるのでもなく、仕事ごと消滅させるにはどうすれば良いかを考えて行動していきたい。

ブラックバイトの非常識な常識: 連載記事リンク

ブラックバイトの非常識な常識 前編: ブラックバイトの匂い

ブラックバイトの非常識な常識 後編: ブラックバイトの現場と対応

ブラックバイトの非常識な常識 前編: ブラックバイトの匂い

日雇い派遣について

この世界にはブラックバイトというものが存在している。それは噂ではなく、実在している。例えば過去には以下の連載記事のような過酷なバイト経験を元にした記事を執筆したことがある。

「ボラバイト」と「リゾートバイト」の闇: 「ボラバイト編」

「ボラバイト」と「リゾートバイト」の闇: 「リゾートバイト編」

これらのバイトは「やりがい搾取」の問題が根本にあったが、今回題材にするのはそのやりがいすらない日雇い派遣についてだ。そもそも2012年に施行された労働者派遣法改正法によれば、雇用期間が30日以内の日雇い派遣は原則禁止ということになっている。もちろんその雇用期間を超える場合は問題なく、また例外業務に該当する場合と、以下の四つの条件に当てはまる場合は日雇い派遣が可能である。

・60歳以上の方
・雇用保険の適用を受けない学生
・副業として日雇派遣に従事する方 (事業収入500万円以上)
・主たる生計者でない方 (世帯収入500万円以上)

こういった例外や、派遣と請負の違いを利用した抜け道などを利用してショットワークスのような場所では、未だに日雇い派遣が毎日大量に募集されている。そこで今回の連載記事ではブラックバイトの非常識な常識ということで、通常は非常識と思えることが常識となって常態化しているブラックバイトの現状を前編と後編に分け、自身の経験と共に振り返りつつまとめてみたいと思う。

ブラックバイトの匂い

ブラックバイトは募集の段階で既にその匂いが漂ってくる。その匂いを整理すると以下の五つの項目に集約できる。

・面接がない。

・具体的な業務内容が書かれていない。

・集合時間が業務開始時間より早すぎる。

・募集内容が項目ごとに矛盾している。

・誤字脱字が多い。

これらについて、以下で項目ごとに詳細を説明していく。

面接がない

面接がないということは裏を返せば「誰でも良い」ということである。その場合の業務内容は3K (きつい、汚い、危険) が即座に予想され、人間がやる仕事ではなく、人間扱いもされないということを覚悟しておくべきだ。そもそも面接は面接官のあり方や方法論も含めてもっと科学的にその効果を分析されるべきであり、現状の多くの面接にはほとんど意味がない可能性もある。しかし日雇い派遣の面接は登録のための説明であったり、実質上ほとんど意味のないものだ。また面接を受けるのにも時間と交通費というコストがかかる。よって誰にでもできるかつ短期前提の日雇い派遣の場合面接がないのは助かる場合もあるが、「誰でも良い」というメッセージが裏に隠されていることは覚えておいた方が良い。

具体的な業務内容が書かれていない

具体的な業務内容が書かれていないのは何故か。それは当然具体的な業務内容を書いてしまったら人が集まらないからだ。例えば「マイナス20度の冷凍室の中で平均15kg以上の冷凍食品を5秒に1回程度のペースでひたすらパレットに積み上げていく仕事です。」と書いてしまったらほぼ人が集まらないことは目に見えている。そこで「食品仕分けの仕事です。」程度にぼかして書き、具体的な業務内容には触れず、できるだけ仕事内容が簡単で魅力的に見えるように書く。中には掲載されている募集内容と実際の業務内容が異なることすらあるが、その場合はしかるべき上位機関に通報するべきである。何故派遣会社に直接訴えないかと言えば、派遣会社と派遣先の会社は一蓮托生の関係にあるので、そのどちらに通報しようが泣き寝入り状態になることが目に見えているからだ。

集合時間が業務開始時間より早すぎる

集合時間が業務開始時間より早すぎることがある。これは場合によるが、労働基準法による労働時間にカウントされ、その分の給料が支払われないとアウトな場合がある。例えば制服に着替える時間などは労働時間にカウントされるべきであり、その時間がカウントされないのであれば労働基準法違反である可能性がある。またたまに集合時間が業務開始時間の2時間前などの募集をみかけることもあるが、これも内容によっては労働時間にカウントされる場合があり、その分の給料が支払われるべき可能性がある。どちらにせよ集合時間と業務開始時間の隔たりが大きくなればなるほどブラックバイトである可能性は高まるので、避けた方が無難だろう。

募集内容が項目ごとに矛盾している

募集内容が項目ごとに矛盾している場合も注意が必要だ。例えばある項目には現地集合と書いてあるが、別の項目には駅前集合と書いてあったりする。また矛盾とは言えないまでも分かり辛かったり、言葉遊びのような状態になっていることもある。例えば日払いと書いてあるが、実際には即日払いはほぼ不可能で、週払いや月払いに誘導するような仕組みである場合がある。もしくは交通費支給と書いてありながら、その交通費が給与に含まれている場合もある。また残業なしと募集内容に書いてあったとして、採用された後にメールで送られてきた詳細を見たら残業ありになっていたりする。こういった矛盾は事前に予測できる場合もあるが、後に発覚する場合もあるのでその都度確認することが重要だ。

誤字脱字が多い

募集内容に誤字脱字が多いというのもブラックバイトの典型的な特徴になる。例えば10:00~19:00 実働1時間と書いてあったりする。たった1時間働くだけで良いわけもなく、当然これは誤字である。もしくはヒゲのことをピゲと書いていたりする。ピゲ禁止と言われても何を禁止されているのか良く分からないが、どれだけ時間を経た他の募集でも修正されることがないというのも凄い。これらのように誤字脱字が多い場合はそもそも文章をまともに書けない程度の会社、人材が募集をしているという意味で地雷である可能性が高い、もしくは文章を推敲するコストすら支払う必要がないと思って募集しているという意味で募集人材に対する配慮はゼロであることが分かる。

ブラックバイトの非常識な常識: 連載記事リンク

ブラックバイトの非常識な常識 前編: ブラックバイトの匂い

ブラックバイトの非常識な常識 後編: ブラックバイトの現場と対応

情報空間と物理空間におけるリアリティの一致

万物に通用する奥義

今回の記事では生きる上で万物に通用する奥義について言語化してみたい。まずその奥義を一言でまとめると、情報空間と物理空間におけるリアリティを限りなく一致させることである。これは主観と客観を限りなく一致させることと言い換えても良いかもしれない。まず前提から説明すると、人間は情報空間の主観を通して世界を認識している。その情報処理を通した上で物理空間では客観的な物事が起こるわけだ。しかし通常その情報空間におけるリアリティと物理空間におけるリアリティにはずれがある。理想と現実は必ず差分があるのと同様に、その差分の大きさは人によるが、完全に一致していることは少ないだろう。その差分を情報空間を現実に合わせるというよりは、物理空間を情報空間に合わせるようにして一致させていくというのが今回紹介する奥義になる。

具体例

主観のアウトプットと客観のアウトプット

上記の説明だけだと抽象的になってしまうので、幾つか具体例を挙げてみる。例えば子どもの頃に自分の声を録音したことがある人は多いはずだ。もしくはカラオケに行けば自分の歌声が客観的にアウトプットされたものが聞こえてくる。ここで問題になってくるのは、大半の人はその自分の想像上、もしくは理想の声と現実の声の差分に驚き、恥ずかしいと考える。今回はその差分を限りなく少なくして、主観のアウトプットと客観のアウトプットの差分が分からないようにするというのが奥義になる。他の例で言えば写真や動画に撮影された自分に関しても同じことが言えるだろうし、運動神経に関しても同じことが言えるだろう。

音声、写真、動画、運動神経

音声、写真、動画に関しては録音、録画して客観視しつつその差分を修正するということがその近道になるだろうが、運動神経に関して言えば武井壮が参考になる。彼の発言や映像を幾つか参照すると、彼の万能に見える運動神経はこの奥義を使用していることが分かる。自分の身体における筋肉の動かし方を解像度の高いレベルで捉え、それをどこまでも精密に制御下に置きつつ、無意識的に操作する。そのための訓練を彼は日々行っているわけだが、要するにこれは自分の理想のイメージと実際の身体の動きを一致させていくことをしているということだ。これができるようになると、要するにどんな運動やスポーツをやらせたとしても対応可能なので、いきなりプロ並みの実力を発揮できる可能性がある。

奥義の原型と習慣化

奥義の原型

今回紹介した奥義には幾つか原型がある。その一つは数年前にトイレで小便を行っている最中に思い付いた自動排尿だ。トイレで排尿する場合、自分の中でその身体イメージができあがっていると、スムーズに行える場合がある。もしくはテニスをやっていた時に自動操縦と名付けた方法も今回の奥義に近いかもしれない。これに関してはイメージを細部まで完璧に創り上げ、現実を解像度高く観察した上で、身体の動きは無意識に任せるというもので、新インナーゲームインナーテニスという本を読んだ後にアイディアを発展させた方法になる。自動操縦に関しては良くも悪くも全ての行動が自動化されるので、自分の動きが自分のものでないかのような感覚に襲われることがあり、上手くいっても達成感は少ないかもしれない。

無意識の習慣化

今回の奥義に関して難しい点があるとすれば、人間は常に同じことを意識することが難しいので、無意識下で常に奥義を実践できるようにしなければならないのだが、それが習慣化するまでに時間がかかるということだ。これを克服するためにはその無意識状態をアンカーとして、トリガーに何かいつも身に付けているようなものを設定すると良いだろう。そのトリガーによってアンカーが即座に引き出されるようになれば、日常のルーチンワークの中に奥義を組み込むことが可能になる。この奥義は何にでも応用可能であり、一般的に一流と呼ばれるような人は無意識に実践している方法でもあると思われるが、それが言語化されて整理されることは余りないように感じたので、今回は自分なりの体験を含めて言語化して説明してみた。何時でも何処でも実践可能なので、是非試して自己流の方法を編み出してみてほしい。

新インナーゲーム
新インナーゲーム
著者: ティモシー・ガルウェイ
訳者: 後藤新弥

インナーテニス
インナーテニス
著者: ティモシー・ガルウェイ
訳者: 後藤新弥

過去記事のピックアップ 3

半年ぶりの過去記事のピックアップ

今回の記事では半年ぶりの過去記事のピックアップを行ってみたいと思う。一応連載記事である過去記事のピックアップは、油断すると長期間忘れてしまう。今回は思い出したタイミングが丁度月末であり、以前の過去記事のピックアップから半年ぶりという区切りでもあった。なので過去記事のピックアップを行いつつ、自分の日々の動向や思考の流れを振り返ってみようと思う。NILOGの内容の流れを俯瞰的に見ると、半年間のうちに考察系の記事に対する制作系の記事の割合が増え、記事内部で写真などを使用することが増えた印象がある。この方向性からさらにどこに行きたいかを考えてみると、音声系や動画系などを含めた他のサイトのプラットフォーム、サービスを使用しつつも、日常生活を抽象化した考察や具体的な制作を通した日課を中心に、他の人が読んでも面白い、参考になると思えるような内容のブログを書いていきたいと思う。ブログに割ける時間は日に日に減っているが、それに関しては既に手放せないツールとなっている音声入力や支援系サービスなどを利用して対処していくことになるだろう。それでは早速次の項目から過去記事のピックアップに入っていく。

2017年9月: 馬鹿の生存戦略

馬鹿の生存戦略

この記事では馬鹿を「本物の馬鹿」と「一点突破馬鹿」と「周回馬鹿」という3種類に分け、その六つの特徴を挙げている。六つの特徴は「行動力」、「エモリティ」、「 面白さ」、「かわいさ」、「ギャップ」、「べき分布」というパラメーターから成っているが、結論としては「馬鹿と天才は紙一重」ということだった。その理由は本記事を読めば分かるが、通常言われるような「馬鹿と天才は紙一重」とは違った角度からの発見があるはずだ。また先日書いた大馬鹿と大天才の共通点という記事では、「大馬鹿」が「本物の馬鹿」と「一点突破馬鹿」の重なり合う存在であり、「大天才」が「周回馬鹿」と「一点突破馬鹿」の重なり合う存在であるという言い換えもできるかもしれない。千葉雅也の書いた『勉強の哲学』では「来たるべきバカ」という存在が定義されているが、その存在は「周回馬鹿」で定義される存在に近しい印象も受けた。自分がどのタイプであれ、最終的に行き着くべき場所は馬鹿と天才が重なり合う地平であることに間違いはない。

2017年10月: 「日本社会の解剖学」

「日本社会の解剖学」

この記事は身の回りで起きた些細な出来事に対して生じた疑問を挙げ、それらに対して一つの抽象的な仮説を立て、象徴的なキーワードによって整理するという考察系の記事における一つの典型的な書き方をした記事だ。この「日本社会の解剖学」における病理は、今の日本社会の閉塞感と没落の根本的な原因になっていると言えるが、現在ではこの仮説に対する対処法や解決方法も見えてきているので、最近の記事ではそういった記事も執筆している。最近自分の中での解像度が上がって見えてきたのは、日本という「国」と日本社会という「システム」と日本人という「民族」は全て別のロジックと性質で動いており、それらを一緒に論じてしまうと本質を見誤るということだ。また同時にこの混同は物質や情報も含めて全て擬人化、キャラクター化して愛でる特異な文化を持つ、日本人ならではのものなのではないかとも考え始めた。先程の三つの分類で言えば、最も優先されるべきは日本人である。日本人は元来クリエイティビティに満ちた民族であるが、一方で日本社会のシステムはその性質を殺すように働くので、レイヤーを変えてハッキングする必要がある。また日本という国はその他の国と同様にシステムと民族という幻想によって成り立っているが、日本人に先立って優先されるべきではない。本記事はこの考えに至るまでの経緯として、日本社会というシステムに対する問題提起をした記事なので、もっと多くの方に読んでもらいたいと思い取り上げてみた。

2017年11月: 2変数関数をGoogle検索で3Dグラフィックス表示して遊んでみた

2変数関数をGoogle検索で3Dグラフィックス表示して遊んでみた

この記事は数学アレルギーがある人にこそ読んでもらい、実際に遊んでもらいたい。この記事における大事なポイントは、大多数の教育システムにおける数式は計算を解くものとして存在しているわけだが、ここでは遊ぶための玩具として存在しているということ。このシステムでは2変数関数をコピペでも良いのでGoogle検索に入力してみるという極めて直感的な操作によって、具体的な3Dグラフィックスが出力されるということ自体が既に関数的な状態を上手く体現している。このある種の魔術的、魔法的な操作は現代的であり、将来的には子どもの直感的な操作も含めて家や巨大な建築物などが3Dプリンタで建築されるようになるはずだが、これはその過渡期の遊びとして象徴的なものだと考えられる。また仕組みは全く違うが、この現象はDeep Learningを利用したEnd to End AIの世界を疑似体験させる入門編のようなものと捉えることもでき、関数というブラックボックスを通して情報的な遊びが物理的に具現化する過程を体験することができる。この素晴らしい機能を知らない方は未だに多いと思うので、多くの方に是非体験してみてほしい。

2017年12月: #MeTooがダメな三つの理由

#MeTooがダメな三つの理由

この記事はタイトルだけを読むと誤解を生むからもしれないと覚悟した上で書いた。要するに〜がダメであるというのはディベートにおけるクレームであり、本来はその主張に付随するワラントやデータが本質である。しかし昨今の潮流から言えば、クレームの賛成か反対かという部分だけを見て、細部の複雑なワラントやデータを無視するという流れがある。そういう状態で行う議論は不毛であるが、#MeTooに関しては男と女、権力と非権力という二項対立の軸の極端な部分だけを取り出して論じられている面があり、正しくクレームだけが無限流通し、自分と逆のクレームを持つ人間に対しては一切耳を貸さないという状況ができあがっているように見える。本記事ではフェミニズムが効果を持つためにはそのような安易な二項対立から脱却し、魔女狩りの構造という構造的な問題を解決しなければならないという意味を込めて#MeTooがダメな三つの理由をまとめた。#MeTooという理念は正しくても、方法論が正しくなければ問題は解決しない。またこの記事を書いた後も単純化された図式はますます力を持ってきており、昨今の規制や社会を分断する友敵理論の悪い例として典型的なものが#MeTooであるとも言えるので、最近の社会運動に疑問を持つ人は是非本記事を参照してほしい。

2018年1月: 元旦の初夢

元旦の初夢

この記事はNILOGの中では異色な記事であると言える。この記事は一種の短編小説であり、昔やっていた詩と小説のブログの名残をNILOGでやってみたらどうなるのかという考えが無意識にあったのかもしれない。元々自分の世界観としてはこの小説に書いているような世界観が根底にあり、NILOGで書いているようなディベート的、理路整然とした文章は後天的に身に付けたものだ。前者の世界観に関しては制作を通して出ている面もあるのだが、元々制作と批評は媒体では分けられないという考え方を基盤に持っている。要するに作品と呼んでいるものが批評かもしれないし、批評と呼んでいるものが作品かもしれない。それは感性と論理のように水と油のようにも見えるのだが、それらをどう融合するかという問題を常に考えてきた。もちろんその試みは異常に難易度が高いので、現在も試行錯誤している最中である。しかし長年取り組んできた玄人と素人を両立させるという試みが、「石版を丸呑みする回転木馬」によって結実しつつあるという手応えのある今、いつの日かその融合も結実する日が来るのだろう。またこれは個人と分人におけるキャラの問題とも関係していると思っており、領域横断性を発揮する際の一つの典型的な問題として乗り越えるべき課題でもある。

2018年2月: 新時代における「仕事」と「コミュ障」

新時代における「仕事」と「コミュ障」

この記事で一番言いたかったことは、自戒を込めた上で現代人は「休息/休暇」を積極的に取るべきということだ。「仕事」 = 「遊び」になった時代における人々は、「休息/休暇」をできるだけ取らないというライフスタイルになりがちである。それは例えばYouTuberやBloggerという職業において毎日投稿が義務化してしまうという呪いにかかりがちであることが象徴している。「遊び」は楽しいのでついつい無限にやりがちであるが、それは長期的に見れば確実に心身を蝕んでいく。その意味で実際には実践が難しいことは身を以て体験しているが、ストレスから回復するための「休息/休暇」を多相睡眠のように取っていくことが必要である。また「コミュ症」についてだが、これに関しても従来的な「人間対人間」という捉え方から「人間対AI」、もしくは「AI対AI」のコミュニケーションを考えた上で、その定義が全く変わってしまうのではないかということについて考察している。現代人が陥りやすい「仕事」における罠と、従来的な体育会系が「コミュ症」に変わってしまうかもしれない問題は年数が経つにつれて徐々に重大な問題になっていくのだろう。

過去記事のピックアップを終えてみての感想

最後に過去記事のピックアップを終えてみての感想を書いてみる。今回ピックアップした記事について紹介した文章は、ただ単に内容を要約するだけではなく、今までの記事で書いていたような内容のもう一歩先を整理して書いているという点でただの紹介にとどまらない価値のある内容になったという手応えがある。また今回は激戦のピックアップだったので、ピックアップできなかった記事の中にも読んでほしい記事は沢山ある。今回連載記事はピックアップしなかったが、連載記事は基本的に書き始めた時は連載になると思っておらず、書くことがありすぎて文字数が増える、もしくはに内容の密度が極端に濃くなってしまったために分割して連載記事になるという経緯が多いので、クオリティが高い記事が多いはず。また制作系の記事に関しても今回はピックアップしなかったが、クリエイターの人はそちらの記事も参考になるかもしれない。自分の軌跡を振り返ってまとめつつ、読者の方にも役立つであろう記事を紹介できる過去記事のピックアップは、これからも定期的に行っていきたいと思っている。

過去記事のピックアップ: 連載記事リンク

過去記事のピックアップ 1

過去記事のピックアップ 2

過去記事のピックアップ 3

音声入力革命

音声入力革命

今回の記事では音声入力を試してみたので、その圧倒的な戦闘能力について説明していきたいと思う。結論から言うと音声入力は革命なので、文章を執筆する全ての人に試してもらいたい。振り返ると1年以上にわたりブログを執筆してきた経験もあり、現在は以前と比較してかなり速く記事を執筆できるようになった。ただ最近は忙しさが限界を突破し、今までよりさらに速く執筆することが求められるようになった。そこで新しい執筆方法を模索する中で、何度か音声入力を使用して記事を執筆したことがあったのだが、本格的に利用はしていなかった。しかし今回は音声入力によって生産性が数倍〜数十倍に上がることが分かったので、音声入力の方法も含めて記事を書いてみたいと思う。ちなみに今回の記事は基本的に音声入力で入力した文章をコピペし、後にキーボード入力を使用して修正したものになる。

音声入力の方法

PCの場合

まず以下のようにGoogle Driveにアクセス、Google Documentを作成し、音声入力の準備を整える。

Google Drive > New > Google Docs > Tools > Voice typing > 日本語 > Click to speak

後は喋るだけ。注意点としてはiPhoneの場合と異なり、以下の三つが使用できないことが挙げられる。

・句点 (。)
・読点 (、)
・改行

ただ音声入力の途中でもキーボード入力は可能なので、特に問題は感じない。

iPhoneの場合

iPhoneではGoogle Docsというアプリがあるのでまずはそのアプリをダウンロードする。そして以下のようにGoogle Documentを作成する。

Google Docs > Sign In > + > New Document (ファイル名を入力) > CREATE

後はキーボードのマイクボタンを使用して音声入力が可能。このファイルはクラウドなので、PCとiPhoneの両方を使用して後から編集することもできる。またiPhoneの場合は句読点と改行も音声入力可能なので、PCの場合と比較して若干音声入力に適していると言える。

音声入力のメリット

生産性向上

音声入力のメリットは何と言っても圧倒的な執筆速度の向上により、生産性が劇的に高まること。この文章全体の基本的な内容を音声入力で執筆した際にかかった時間は10〜20分程度であり、キーボード入力の修正でその数倍の時間がかかったとしても今までとは比較にならないほど速い。最初に言ったように人によっては、数倍〜数十倍の生産性向上が見込めることかと思う。その生産性向上によって空いた時間を休憩時間や遊びの時間、もしくは他のことに使用する時間にできれば人生がより有意義に過ごせる。また毎日記事を書いて更新していくスタイルの場合は、日々の更新作業の負担がかなり軽くなるはずだ。

プレゼン力、ディベート力向上

また音声で話した内容がそのまま文章で使用できるほど整合性があるということは知的能力にとって重要なことであり、この能力を磨いていけばプレゼン力の向上にも繋がる。さらにディベートにおいては基本的に喋った内容しか判定の対象にならないために、話している内容がそのまま論理的な構成を持って書き下しても読めるレベルになっていることが望ましい。よって音声入力を極限までハイペースで喋ってほぼ修正する箇所がない程度になれば、ディベートの基礎となる同時並列的な思考や高速な思考に慣れることも可能になるだろう。そういう意味で音声入力はプレゼン力やディベート力向上にも活用できる。

音声入力のデメリット

公共空間での使用

逆に音声入力のデメリットとしては、公共空間で使用しにくいこと。もちろん検索程度の短文なら音声入力は適しているが、ブログ執筆を公共空間でやるのは多少の抵抗があるし、周囲の迷惑になる可能性もある。これに関しての解決方法は以下のように二つあり得る。

・囁く程度の音量での音声入力、もしくは口パク入力が実用化レベルになる。
・音声入力が周囲の他者に聞こえないようにする。

このどちらも将来的にテクノロジーが進化するのを待つしかないが、口パク入力やマスキング音などの技術が発展していけば不可能ではないと考えられる。ただ口パク入力ができるということは、他人から口パクで何を言っているのかを読み取られる危険性もあるということであり、その辺のプライバシーの問題は一部残るかもしれない。一方で私的空間で音声入力を使用した際のデメリットは今のところ全く感じておらず、基本的にはメリットしかないように感じている。

今回の記事のまとめ/音声入力考察

今回の記事のまとめ

今回の記事では音声入力は革命なので全ての執筆者が活用するべきという結論から始まり、その方法、メリット、デメリットについて説明した。音声入力では入力された全ての文字が正確なわけではないが、十分実用レベルにある。また音声入力の場合は細かな違いなどを気にすることなく、考えていることを全て一度出した後に最終的にキーボード入力で加筆修正する方法が最も優れたやり方であるはずだ。

音声入力考察
執筆内容への影響

音声入力とキーボード入力によって執筆内容が影響を受けるかどうかは、正直現段階だと分からない。ただ喋るという行為とタイピングという行為は微妙に異なるため、執筆内容にも多少の変化が生まれる可能性はある。音声入力の場合はブレインストーミング的にアイディアと記述のタイムラグ、バッファを極限まで少なくできるという点で、ポジティブな効果が生まれるのではないかという仮説は自分の中にある。マインドマップなどを書く場合も何も考えていないような状態で書くという一見矛盾した行為が重要になるが、音声入力にはそのイメージと近い体感があった。

例えばブログを執筆する際にPCを使用した場合と、iPhoneを使用した場合は微妙に体感が異なる。この場合執筆内容自体に変化があるとは思わないけれど、iPhoneの画面だとPCの画面と比較してどうしても画面が小さくなるので、自分の中でかなり長文を書いたつもりでもPCから見ると割と短い文章に収まっていたりする。逆にPCで書いた文章をスマホで見ると、自分の中ではそこまで長文を書いたつもりはなくても割と長い文章であると感じることがある。今のところ音声入力の場合は執筆速度が速いために、かなり長めの文章を楽々入力できるという感覚はある。

音声の扱い方

また音声入力とは違うが、音声という括りで見れば音声情報はこれから重要性を増していくはずだ。書籍やブログなどの文字情報、写真や映像などの画像、動画情報に関しては前者はより専門性の高い方向へ、後者はより一般的な方向へ進化していくことが予想される。その中で音声情報はその中間的な存在として、また隙間時間の活用に役立つ存在として存在感を増していくだろう。例を挙げればVoicyのような音声型ブログサービスや、海外では既に主流化しているオーディオブックなどは作業をしながら、もしくは移動時間も同時並列的に聴くことができるということで現代に適した進化の方法と言える。そういう意味で音声入力、音声サービスを含めて音声をどのように扱うかというのは現代における熱いトピックの一つである。

これから

音声入力に関しては最近本格的に開始したばかりなので、方法を含めて今のところ完全に確立したわけではない。これからさらに使用しながら調べていくうちにより良い方法も見つかっていくことだろう。その時はまた音声入力のより良い方法として紹介していきたいと思っている。また少なくとも個人的には既にその絶大な効果を実感しているので、そのうちNILOGなどを通してその目に見える成果を見せられる時が来るかもしない。この音声入力革命はコンタクトレンズを初めて装着した時のように人生が変わるので、まだ体験していない読者の方は是非体験してみてほしい。

制作スタイルにおける短距離と中距離と長距離

中距離の過酷さ

知らない人もいるかもしれないが、昔陸上部に所属していたので短距離、中距離、長距離は一通りやったし、走り幅跳び、走り高跳びなどもやっていた。練習では長距離のグループと一緒にやっていたが、短距離のグループの方が遙かに楽そうに見えて羨ましかったのを覚えている。一番得意だったのは中距離で、800m、1500mではどちらかと言えば800mが好きだった。実は陸上競技で一番過酷なのは800mと言われている。何故かと言えば短距離は全力で走りきることが必要であり、長距離は戦略を練りながら走ることが必要だが、800mではその両方を高いレベルでやらないと勝てないからだ。実際ほとんど最初から最後まで全力なのだが、最初は先頭グループに入りながらも周囲の人を風除けに使う + 消耗させる → 後半で一気に追い抜き、肉体的にも精神的にも追い抜く気力をへし折るというやり方を無意識に選択していた気がする。

自身の制作スタイル

これは制作スタイルにも言えることだと思っていて、やはり自分が一番得意なのは中距離的なスタイルである。短距離の瞬発力だけで走るのは好きじゃないし、長距離のようにコツコツ積み上げ続けるのも性に合わない。割とスロースターターではあるので、最初は意識的に制作のスイッチを入れる必要がある。しかし一旦スイッチが入ってしまえば、トップスピードまで上がるのは早い方だ。そして最終的には締め切り、納期というスケジュール上の制約により、火事場の馬鹿力を発揮して一気に終わらせる。過去にはこのやり方を短距離、もしくは長距離のスタイルに変えようとしたこともあったが、いまいちしっくりこなかった。そういう意味では自分の中ではこの制作スタイルが合っているのだろうし、自分なりの制作スタイルを把握しておくことは、継続的に制作する人にとって非常に重要なことだ。

バイオリズムの一致

ブログ執筆は更新頻度とやり方にもよるだろうがマラソンに近く、長距離の範囲の仕事である。なので良くこれだけ長い間続けてきたものだと思うが、毎日コツコツが性に合わない自分としては、ある程度一気に書いて、ある程度一気に休むというようなスタイルの方がしっくりくる。それこそ他の仕事や制作が入った時、躁鬱病の鬱状態が発症した時のことを考えると、ある程度自分の中でバッファを計算して動いていかないといけない。またコラボレーションなどの場合も、互いの制作スタイルにおけるバイオリズムが一致することが重要であると最近気付いた。制作スタイルが必ずしも一致する必要はないのだけれど、自分と相手は常に異なるバイオリズムで動いているのかもしれないという想像力は、様々な問題を解決する。ここから言えるのはつまり、自分の制作スタイルを把握し、そこからあらゆる関係性の中でのバイオリズムを一致させていくことこそが制作にとっての極意になるということだろう。

神ツールとしてのdifff《デュフフ》

difff《デュフフ》とは何か?

文章執筆、翻訳、校閲、校正、編集などをしていると、文章を比較して変更点を確認したい場合が出てくる。そんな時に役立つのがテキスト比較ツール difff《デュフフ》だ。これはその名の通り、入力した二つのテキストの違いを分かり易く表示してくれる神ツールになる。difff《デュフフ》は10年以上前に既に公開されていたが、小保方晴子と理研によるSTAP騒動の際に一躍脚光を浴びたツールでもある。またこのツールには日本語版と英語版があり、GitHubにソースコードも公開されているので、それぞれのリンクを以下に掲載しておく。

テキスト比較ツール difff《デュフフ》

difff – online text compare

meso-cacase/difff

使用例

使用例として上記の文章の一部の符号、記号、言葉と、「だ・である調」を「です・ます調」に変更して比較してみた。カラーによって比較結果が分かり易く表示されているのが分かると思うが、カラーも3種類から選択することが可能だ。またテスト運用中の機能として「この結果を公開する」という機能でサーバーに結果を保存して、URLを発行することもできる。削除パスワードも設定可能で、それを設定しなくても3日経過すると自動的にサーバーから結果が消去されるようになっている。この機能に関してはGigaFile便のようなものだと思えば良い。

セキュリティについて

difff《デュフフ》は最近httpsに対応したことと、「この結果を公開する」という機能を使用しなければサーバーにデータは保存しないので、セキュリティ的にも安心して使用できるツールになっている。仮にそれでも不安な場合は先程のようにソースコードが公開されているので、自前のサーバーで動かしてみるのも良いだろう。また過去にある自動翻訳サービスで検索結果に翻訳内容が公開され、情報漏洩していたことがある。そもそも絶対に漏洩してはならない情報は情報空間ではなく、物理空間に保存するというのが未だに有効なセキュリティ対策の一つだが、そういった機密情報をこのツールを使用して比較することは余りないと思うので、この点に関しては特に心配する必要はなさそうだ。difff《デュフフ》は便利な神ツールなので、まだ使用したことがない人は是非一度使用してみてほしい。

「Udemy Black Friday Indulgence 2017」

「Udemy」とMOOCs

「Udemy」というサービスを教えてもらったので、早速利用してみた。以前MOOCsについてという記事でMOOCsという「インターネット上で無料で受講できる講義」についてまとめたことがあるけれど、「Udemy」は大枠で言えばMOOCsの一種とも言えるし、従来のMOOCsとは一線を画す点もある。MOOCsとの共通点は「インターネット上で講義」が行われる点にあり、MOOCsとの相違点は「無料」と「有料」の講義が混在することと、ある分野のスペシャリストが誰でも講師として講義を発信することができることにある。つまりMOOCsはよりアカデミック寄りであり、「Udemy」はより実学寄りであるということができる。そもそも講師側として利用してみればという話だったのだけれど、まずは「Udemy」を体験するために幾つかコースを購入してみたので、今回はコースについての説明を主にしてみたいと思う。

「Udemy Black Friday Indulgence 2017」

今回このタイミングで「Udemy」を紹介したのは、現在「Udemy Black Friday Sale 2017」が開始されているから。このセールの期間は11月16日(木)~11月29日(水)までで、セール内容としては全てのコースが割引で1200円になるというもの。「Udemy」のコースにおける価格設定は講師が自由に決定できるため、無料〜数万円まで幅広い価格設定がなされている。年に何度かこういったセールが行われているのと、特定の条件で割引されることがあるので、「Udemy」でコースを受講する場合はそういった割引を有効活用した方が圧倒的にお買い得になっている。

コースについての説明

コースの一覧とリンク

今回個人的に購入したコースの一覧とリンクは以下。

Artificial Intelligence A-Z™: Learn How To Build An AI

Deep Learning A-Z™: Hands-On Artificial Neural Networks

Machine Learning A-Z™: Hands-On Python & R In Data Science

Build an AI Twitter Bot Powered with IBM Watson (No Coding!)

Building your First VR Experience with Unity

Build 9 Augmented Reality (AR) apps with Unity & Vuforia

The Complete Cyber Security Course : Hackers Exposed!

The Complete Cyber Security Course : Network Security!

The Complete Cyber Security Course : Anonymous Browsing!

The Complete Cyber Security Course : End Point Protection!

コースの購入の流れと種類

上記を見ての通り合計10のコースを購入した。購入までの流れとしては、まず価格合計から考えて最初に10のコースを購入しようと決めた。次に検索、カテゴリー、タグなどを使用して興味のあるコースを見つけ、各コースの評価、レビュー、プレビューなどを見て購入コースを決定。特に参考になるのはプレビューで、実際にコースで使用されるビデオの一部を事前に視聴することができる。基本的には英語が基本であり、お勧めは英語のコースだけれど、日本語のコースもある。また今回はエンジニアリング系のコースばかり購入しているけれど、大枠のカテゴリーだけ見ても「Development」、「Business」、「IT & Software」、「Office Productivity」、「Design」、「Marketing」、「Lifestyle」、「Photography」、「Health & Fitness」、「Teacher Training」、「Music」、「Adacemics」、「Language」、「Test Prep」などコースの種類は多岐にわたっている。さらに購入してから30日以内であれば、コースに満足できない場合は返金も受け付けている。

各コースの購入の動機

全体的に言えば、知識として知っていることや多少実装の方法を知っている程度のものをさらに深めるために、今回はコースを選択して購入した。例えばAIとDeep Learningに関してはブログでも何度か取り上げているが、以前から興味があり、作品にも応用できるものとしてプログラミングの実装を深めるために購入。Machine LearningとData Scienceはマーケティング的な応用として興味があったのと、AIとDeep Learningと同じシリーズだったので購入。IBM WatsonのTwitter Botに関しては以前から気になっていて、PsycheというAIを最終的に作りたいというゴールがあり、まずはTwitter Botとして作るために購入。またXR以降のアートに興味があるので、とりあえずVRとARに関しての実装の方法を学ぶためにそれぞれ一つのコースを選んで購入。Cyber Securityに関しては知識としては知っているけれど、実際のコーディングとしての実装は知らないので、4つのコースからなるシリーズをそれぞれ購入。これらのコースに関しては現在はまだ体験したわけではないのでお勧めはできないけれど、コースを終えた後に順次レビューなどもしていきたいと思っている。なので今回挙げたコースの購入を迷っている方は今後のレビューも参考にしてみてほしいし、「Udemy Black Friday Indulgence 2017」のセールを有効活用したい方は今のうちに購入しておくことをお勧めする。