「人狼ジャッジメント」で遊んでみた

「人狼ゲーム」とは何か?

今年の2月から配信開始され、流行りすぎて既に衰退の兆しも見える「人狼ジャッジメント」。今回はそのアプリで遊んだ経験を元に、「人狼ゲーム」と「人狼ジャッジメント」について自分なりの考え方を簡単にまとめてみた。まず「人狼ゲーム」のルールや遊び方について知らない人は各自調べてみてほしいが、この記事ではそこからさらに一歩踏み込み、「人狼ゲーム」とは一体何なのかについて考えてみたい。それでは早速「人狼ゲーム」の要素、流れについてまとめると、以下の三つのようになる。

1. 人々の発言を元に、様々な役職、陣営の視点からの幽体離脱/憑依を繰り返すことにより、論理的な考察を進める。

2. その視点整理から導かれる考察を元に、自陣営に有利になるように、エモさを考慮しつつ発言と選択を繰り返す。

3. 敵対する陣営同士が最善を尽くすことにより、協力し合って勝敗を付ける。

反面教師の実例を通しての学び

幽体離脱/憑依

「人狼ジャッジメント」を実際にプレイしている中で、上記の3要素を考える上で反面教師の実例になるような出来事があったので、それについて書いてみたい。まず個人的にはその他の人の役職、陣営の視点になって考察することを、1のように幽体離脱/憑依と呼んでおり、意外とこれができない人が多い印象を持っている。「人狼ゲーム」では特殊な能力を持たない一般人を含め、全ての人に役職が与えられている。その役職は通常本人にしか分からず、また特殊な能力を持っている場合はその役職持ちの視点でしか分からない事実が存在することになる。そこでまずは自分の役職、陣営の視点を整理し、他人の発言を元に誰がどの役職なのかを論理的に考察を進めることが第一歩。しかしそこで止まっていてはダメで、さらにそこから違う役職、陣営の視点であったら今この状況はどういう盤面なのかを考察することがこのゲームの深みになっている。つまり自分視点だけ考えていてはダメで、限られた時間内で数多くの可能性と確率を幽体離脱/憑依を繰り返してトレースしていくことに「人狼ゲーム」の楽しさがある。

占い師の主張

ここで一つ実例を挙げるとする。市民3、人狼2、占い師1、霊能者1、狩人1、狂人1のデフォルト9人村での出来事。初日占い師が2人CO、霊能者が1人COして、初日占いの結果グレーが4人だった。そこでそのグレーの中から昼に1人が吊られ、夜にベグで占い師の1人が襲撃された。そして夜が明けた次の日の占いでグレーの中から黒出しされ、霊能者の結果は白。この状況で残った方の占い師が強く真を主張し、その黒を吊るしかない場面だと言っている。これに対して村はどう対応するべきか?まず村としては自分の役職、陣営の立場、つまり村目線で考えてここで残った方の占い師の黒出しを吊り、それが白だった場合の可能性を考える。すると狩人が既に死んでいる場合か、生きていてもGJが出なかった場合はPP、もしくは狩人がGJを出したとしてもRPPの場面ということが分かる。また初日囲いの可能性も考えると、襲撃されなかった方の占い師はどうしても怪しく見えてしまうという意味でも、占い師ロラが安定と考える。ただし最初に噛まれた占い師が明らかに人狼陣営の疑いが濃い、もしくは残った占い師が信用に値する発言をしている場合は思い切って黒吊りもあり。また狩人COも考えられる場面だが、狩人COはない。

自分目線への拘りと村目線の欠如

ここで重要なのが占い師の発言なので、何人かの人がそのPP、RPPの可能性を伝えた。そうするとその占い師はPP、RPPなどはどうでも良く、自分は真で黒出しをしたんだから信じて黒を吊ってくれという発言を繰り返していた。既にお気付きの方もいると思うが、この占い師の発言は全く村目線ではない。仮にこの占い師が真だとすれば幽体離脱/憑依が全くできておらず、自分視点で正しいことをただ正しいと伝えているに過ぎない。まずその占い師が真であるという事実を知っているのは自分だけなので、その事実を知ることができない村人陣営からすれば、村目線で見て負けが確定するかもしれない選択を強引に進めようとする占い師は狂人に見える。結果としてその占い師は真だったのだが、村の選択としては占い師ロラが実行されることになった。この場合この占い師は1がそもそもできていなかったことと、2の「自陣営に有利になるように」という発想が抜けていたと言える。なので他人からは確信できない自分の視点だけに拘り、村目線で考察することを放棄し、他人を上手く説得することができなかった。論理的な考察をして村目線で考えたとしても、エモさを考慮に入れていないために逆に怪しまれたり伝わらないことがある。そういったもどかしさや難しさを含めて「人狼ゲーム」は面白いのだが、今回の場合はそれ以前の問題だった。

村目線の発言例

最終的にその占い師は墓場で罵倒を繰り返し、負け確定と騒いでいたが、結局村人陣営が勝利した。勝利した後も自分を信じずに吊った人に対して謝罪を求めるように言っていたが、結果的に勝利したということはそもそも吊って正解だったということなので村人側は何も悪くない。というよりそもそも「人狼ゲーム」は騙し合うゲームなので謝罪も何もなく、信じてもらないのは自分の実力不足でもあるし、墓場の神視点で人を断罪したり、罵倒したりするのは問題外である。むしろ残った占い師が狂人っぽい振る舞いをしたことは利敵行為とまでは言わないまでも、自ら吊られる要因を作ってしまっているし、論理的な考察や村目線では考察できない占い師を残していても村利は少ない。よってあの場面では「村目線で見ればPP、RPPの可能性があるので、今夜私が吊られることは覚悟しています。狩人のCOがあるなら、今のうちに出てもらいたいです。」「遺言としては私目線で〜は黒で、他にも人狼が1匹いるので、できれば次の日は〜を吊ってほしいし、ラインを探してほしいです。またその時点で霊能が残っていれば色を見て判断してほしいです。占い師はもういなくなりますが、村人陣営頑張ってください。」などと発言していれば、少なくとも村目線で発言していると思われたはず。その場合も狂人が村目線で惑わす発言をしているとも取れるので、吊りの運命は変わらなかったかもしれないが、もしかしたらPP、RPP対策し過ぎるのもつまらないね的な展開になったかもしれない。

敵対する陣営同士の協力プレイ

また「人狼ジャッジメント」に関しては基本的に試合放棄や利敵行為をしてはいけない。自分の気に入らない役職だから放棄、仲間の人狼をバラすなどは全員のやる気を削ぐ。ただしたまにアプリが落ちることがあり、自分の経験としても何度も接続し直してようやく復活した頃には吊りが決定していたことがあったが、その場合は素直に状況を伝えて謝れば良い。そもそも「人狼ゲーム」は敵味方の陣営を問わず、参加者全員が協力して最善を尽くさないと面白くならない。そういう意味では3に書いたように、「人狼ゲーム」は自陣営とだけ協力すれば良いのではなく、敵陣営との協力プレイが本質とも言える。勝ち負けに拘るのは結構だが、その前提を忘れると敵陣営だけではなく、自陣営にも迷惑をかけることもあるので、ゲームを楽しむためにもその大局を忘れないようにしたい。

「人狼ジャッジメント」への要望

最後に人狼ジャッジメントのオンライン対戦 > 全国対戦への要望を二つ書いておく。

1. 屋敷に関して初心者部屋、中級者部屋、上級者部屋への参加は、レート制に基づいて選択できるようにしてほしい。

2. 墓場チャットの表示/非表示を観戦者が選択できるようにして欲しい。

レート制の導入

1に関しては現状初心者部屋、中級者部屋、上級者部屋、誰でも部屋が選択できるが、特にレートなどが設定されていないため、レベルが合っていない人同士がマッチングしてしまい、終始噛み合わない状況を度々見掛ける。上のレートの人は下のレートの部屋にも参加できるようにしても良いが、基本的にレベルに関係なく遊びたい人は誰でも部屋で遊ぶようにすれば良いと思う。荒らしに対してはブロックである程度対処できるけれど、レベルの違いは現状自己認識による。そして実力が低いうちは客観的に自分の実力を把握できないのもまた当然なので、そういった事故を防ぐためにもレート制の導入はありだと思う。レートのポイントは何をどうすれば上がる、もしくは下がるのかは幾つか実装してみなければ分からないけれど、少なくとも何も指標がないよりはましなはず。ただ「人狼ゲーム」は基本的に個人戦ではないし、レートのポイントによるマウンティングなどが流行してもつまらないので、基本的にはレートは隠れていて、ある一定の閾値に上がり下がりすると入れる部屋が変わるというくらい緩い設定をしても良いかもしれない。

墓場チャットの表示/非表示

2に関しては今後のアップデートで変更になるかもしれないけれど、現状の全国対戦では観戦者が墓場で発言ができないし、墓場チャットは丸見えになっている。それについて考慮してくれるプレイヤーもおり、墓場でのネタバレ禁止をしてくれることもあるのだけれど、これは誰か1人でも破ると無意味なので、基本的には結構な確率でネタバレが起こっている。また何故か観戦者は墓場チャットを見ることができないようにアップデートされたというデマが広がっており、ネタバレしても大丈夫だね的な発言を見ることが度々あるのだけれど、その発言も含めてしっかり見えている。これに関しては観戦者が墓場チャットの表示/非表示を選べるようにするべき。そうすれば墓場の人々は安心してネタバレをして楽しむことができるし、観戦者はネタバレしながら見たいなら表示、したくないなら非表示を選択すれば良い。また参加者の中で墓場のネタバレを見たくないという人もいるかもしれないので、その場合は参加者にも非表示があっても良い。ただその場合は他の墓場の人の発言を無視する形になるかもしれず、悩ましいところ。

「人狼ジャッジメント」のまとめと『レイジングループ』

YouTuber (ゲーム実況者) のおかげなのか、現在大盛況の「人狼ジャッジメント」。しかし人が大量流入するにつれて、深夜〜朝の時間帯しかまともにプレイできないようになっているようにも感じる。「ワンナイト人狼」などは比較的少人数でも行えるけれど、1人でも参加できるし、部屋もすぐ見付かる「人狼ジャッジメント」は良いアプリだと思う。また基本無料でプレイできるのはありがたいけれど、逆にもっと課金などで儲けなくて大丈夫なのかと心配してしまう。今回の記事では「人狼ゲーム」についての大きな枠組みと、「人狼ジャッジメント」の実例を通して説明したけれど、気が向いたら今後基本戦略や自分がやっていることについて解説することもあるかもしれない。最後に「人狼ゲーム」が好きな人は『レイジングループ』も絶対に好きなはずなので、必ずやってみてほしい。ホラーやグロが苦手な人でも比較的大丈夫なはず。また『レイジングループ』は今年の夏〜秋頃に続編が出るらしいので今から期待しつつ、しばらくは死のスケジュールの合間に「人狼ジャッジメント」で殺戮の現場を楽しもうと思う。