100枚ドローイングへの道のり 5: V世代〜Z世代

世代を経ての変化

今回で遂に100枚ドローイングは最後の世代を迎える。W世代までに使用していたスケッチブックの紙を全て使い切ってしまったので、X世代からは急遽コピー用紙を使用することに。一応サイズは全てカッターで裁断して揃えたが、紙がペラペラなのでこれまでとは感触がかなり異なる。またこの辺りの世代では子どもの頃に習っていた書道用具や、数年ぶりにまともに使用するアクリル絵の具を引っ張り出し、画材を少しずつ変えながらドローイングに挑んだ。当初の予定ではこの辺りでまた大幅なメディア変換や統合を行いたかったのだが、それは時間の制約上断念。ひたすら絵画的な図像を描くことに徹した。それでは早速、前回と同様にV世代〜Z世代のドローイングについて紹介していきたい。

100枚ドローイング (V世代〜Z世代)

V世代

テーマ: 世界観

評価基準: 強度

遺伝: V′

解説: V世代では今まで封印してきたアクリル絵の具を解放し、幾つかの異なるやり方でドローイングを行った。Vは紙に直接絵の具を垂らし、紙の上で色を混ぜた。V′は点描の手法で描いてみた。V″は今までに出てきたようなイメージを改めて絵の具で表現した。この世代では一番強度のあったV′を選択。

V

V′

V″

W世代

テーマ: 模様

評価基準: 迷いの無さ

遺伝: W′

解説: W世代では墨汁と筆を使用し、異なる模様を描いた。V世代の点描を引き継ぎ、模様にも迷いが無かったということでW′を選択。

W

W′

W″

W‴

W⁗

X世代

テーマ: パターン

評価基準: 一体感

遺伝: X′

解説: X世代は絵の具と墨汁をそれぞれ使用してドローイングを行った。X′、X″、X‴で迷ったが、絵の具と墨汁の一体感があったということでX′を選択。

X

X′

X″

X‴

X⁗

Y世代

テーマ: 自我

評価基準: 総合性

遺伝: Y

解説: Y世代は絵の具、墨汁、チャコールペンを使用して、自我をテーマに描いた。結果として顔のような図像が描かれたYを選択。

Y

Y′

Y″

Z世代

テーマ: A to Zの系譜

評価基準: 分かり易さ

遺伝: Z″

解説: Z世代はこれまでに遺伝してきた流れを系譜として描いてみた。結果的にA世代と似たようなパターンも出てきたが、細胞のようなイメージのZ″を選択した。

Z

Z′

Z″

V世代〜Z世代、全世代総括

V世代〜Z世代では画材の変化を含めたメディア変換のアイディアがなくなることも危惧していたのだが、何とか最後までそのルールは守ってドローイングを完結することができた。100枚ドローイングを改めて振り返ってみると、自分の強みと弱みがはっきりと現れたことが分かる。やはり平面はデジタル以外ではやりたくないし、立体的な時間と空間を持つメディアにもっと特化していくべきだし、コラージュはコンセプトのレベルでもっと深堀りできそうな気がした。このように自分についてより深く知ったり、意外なアイディアを見つけたりするのに100枚ドローイングは最適な方法であると思う。何はともあれ1枚につき平均20〜30分、1日20数枚ペースで、自分の無茶振り的な方法論に沿って100枚ドローイングを完成させられたということ自体が一つの達成であるはず。締め切りまでに完成させるというのは一つのスキルでもあるし、それだけでも価値はある。またこういった活動をさらに継続してやるのも選択肢としては考えられるだろう。とりあえず今は自分が何をやったのかを再考しつつ、次の作品制作に繋げていきたいと考えている。

100枚ドローイングへの道のり: 連載記事リンク

100枚ドローイングへの道のり 1: A世代〜G世代

100枚ドローイングへの道のり 2: H世代〜K世代

100枚ドローイングへの道のり 3: L世代〜P世代

100枚ドローイングへの道のり 4: Q世代〜U世代

100枚ドローイングへの道のり 5: V世代〜Z世代

100枚ドローイングへの道のり 6: 「突然変異とトゥルーエンド」 (ステイトメント)