100枚ドローイングへの道のり 2: H世代〜K世代

世代を経ての変化

100枚ドローイングへの道のり 2では、H世代〜K世代までのドローイングを紹介していく。この辺りの世代ではネタが豊富に出てきたのと、時間が足りないということで1枚20〜30分程度で次から次へと仕上げていった。またA世代〜Z世代までで100枚ドローイングを完結させるために今までは1世代につき3枚ずつ描いていたのが、世代によっては5枚ずつ描いて枚数を調整するようになっていった。それでは早速、前回と同様の形式で各世代のドローイングを紹介していく。

100枚ドローイング (H世代〜K世代)

H世代

テーマ: 組み合わせ

評価基準: バランス

遺伝: H″

解説: H世代では言葉を使用して絵画的な表現を組み合わせるとどうなるかを実験した。Hではコンクリート・ポエトリー的な表現をしていたら「人参卵」、「卵人参」という謎の言葉が爆誕し、H′では「石版を丸呑みする回転木馬」での言葉遊びの簡易版のような感じになり、H″では言葉と絵の浮遊するような感覚を表現した。結果的に一番バランスが良いということでH″を選択。

H

H′

H″

I世代

テーマ: 組み合わせ

評価基準: バランス

遺伝: I⁗

解説: I世代ではFotorというソフトを使用し、昔撮影した幾つかの写真を素材としてコラージュしてみた。I〜I⁗に行くにつれて、より加工の具合と合成する写真の数などが増加していく。またI′からはFinal Cut Pro Xも使用してエフェクトを加えた上で出力している。最終的には言葉が分解され、ダンスのように踊るレイヤーを加えることで辿り着いたI⁗を選択した。

I

I′

I″

I‴

I⁗

J世代

テーマ: コラージュ

評価基準: 必然性

遺伝: J″

解説: J世代はI世代でやったコラージュをテーマとして明確化し、その上で別の写真素材からコラージュ画像を制作した。さらにシャーペン、ボールペン、色鉛筆などの画材を使用し、コラージュ画像とは別のイメージを混ぜた。J″とJ⁗で迷ったけれど、最終的にJ″を選択。

J

J′

J″

J‴

J⁗

K世代

テーマ: ブリコラージュ

評価基準: エモさ

遺伝: K⁗

解説: K世代はJ世代のコラージュの概念をさらに拡張し、ブリコラージュをテーマとした。自分の身の回りにあった物や広告などからイメージや言葉などを切り抜き、コラージュを制作。Kは散らばる感じ、K′は融合、K″は現代美術的、K‴は緩やかなバイオレンス、K⁗はシュールといった感覚で制作し、最終的にK⁗を選んだ。

K

K′

K″

K‴

K⁗

H世代〜K世代総括

H世代〜K世代で結果として出てきたコラージュやブリコラージュという概念は、後の世代でさらに拡張されることになるのだけれど、100枚ドローイングの一つのターニングポイントになった感覚があった。何故かというとX Media ArtsやAnrealmsでやりたいことは、もしかしたら異なる文脈と原理のブリコラージュにあるのではないかという発想に至ったからだ。通常は絶対に交わることのない想像力同士を結び付けて、そこに何かしらの面白い化学反応を起こすこと。自分がやりたいのは恐らくそういうことだ。その場においては作品、人、思想、文脈、原理に関わらず、全てが素材である。今までは物質と情報がどちらも連続的な素材であると説明していたのだが、その説明がさらに具体化してヴィジョンが見えてきた感じがした。この発想と感覚が生まれただけで、100枚ドローイングをやった価値はあったと感じた。

100枚ドローイングへの道のり: 連載記事リンク

100枚ドローイングへの道のり 1: A世代〜G世代

100枚ドローイングへの道のり 2: H世代〜K世代

100枚ドローイングへの道のり 3: L世代〜P世代

100枚ドローイングへの道のり 4: Q世代〜U世代

100枚ドローイングへの道のり 5: V世代〜Z世代

100枚ドローイングへの道のり 6: 「突然変異とトゥルーエンド」 (ステイトメント)