フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり 1: 学科編

フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり

本日から4日連続でお届けする連載記事、『フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり』。第1回となる今回は学科編、残りの3回は実技編になる。これは実際の講習日程と同じだ。つまり今回の連載記事は実体験を元にしたレポートになっているのだが、フォークリフトの資格取得に興味のある人、興味のない人どちらでも読めるような記事として書いてみたい。

「免許」と「技能講習」と「特別教育」の違い

まず「免許」と「技能講習」と「特別教育」の違いについて。これらはどれも「資格」の一種だが、基本的に業務の権限、難易度、危険度などが高い順に「免許」、「技能講習」、「特別教育」と分類されている。講習に関しては「免許」の一部と「技能講習」は都道府県労働局長登録教習機関、「特別教育」は事業者がそれぞれ学科と実技の講習を行うことになっている。またこれらは労働安全衛生法で規定されているが、基本的にはどれもその資格を持つ人しか業務に就くことができず、仮に違反した場合は法律で罰せられることになる。「スキューバダイビングとフォークリフトの資格申し込み」という記事でも書いたように、フォークリフトの資格には「技能講習」と「特別教育」があり、その差は運転できるフォークリフトの最大積載量が1t以上か1t未満かの違いだ。これらの知識を総合すると、フォークリフトの資格を持っている人で「免許」と言っている人は学科を真面目に受けていないか、単純に間違えているか、フォークリフトの資格を持っていないけれど知ったかぶりで書いているか、「免許」の方が一般的に分かり易いのでそう書いていることになる。

学科講習と試験

学科講習では『フォークリフト運転士テキスト』というテキストに沿って朝から夕方まで講習が行われ、その日のうちに講習の内容に沿った学科試験があり、合否判定が出た。一番驚いたのは出題される3章のうちの1章と無駄話に全体の9割程度の時間を使用し、残りの2章は全体の1割程度の時間で終わらせたこと。そして復習する時間も取らずにそのまま試験が開始されたこと。ただ基本的には教官が大事なポイント、線を引いておいてと言った箇所のみ試験で出題されたのと、ほとんど答えを事前に教えているような箇所もあり、4択問題の学科試験はかなり簡単な内容だった。個人的には講習の時間が足りないのは徐々に分かってきたので、途中から話を聞きながら復習していた。試験内容は数十年変わっていないらしく、もはや現代の状況に合っていない記述もあったが、今まで生きてきて知らない知識も多かったので面白かった。ちなみに講習を受ける場所にもよるだろうが、合格点に届かない答案を提出した人はその場でやり直しを命じて合格させるという噂もある。

「瞑想学習法」

脳内マッピング

結果的に学科試験は最初に答案を提出し、満点で通った。これにはちょっとしたコツがある。ここからの話はフォークリフトの学科講習と試験とは多少離れるが、そこから発展した話として書いてみる。個人的には学科、実技を問わず通用する学習法があり、それを「瞑想学習法」と呼んでいる。これは何をするかと言えば、テキスト、講習で話されている内容を全て五感イメージに変換し、現実のようなリアリティを再構築した上で、概念として自分の脳内にマッピングして整理するという方法だ。例えばフォークリフトの操作手順について覚える場合、言葉をただ反復して覚えようとするのではなく、自分の脳内の映像を構築し、その瞑想空間の中で実際に操作する。そこには色、形、匂い、手触り、音などの要素があり、それらを自由自在に操ることが重要になる。

ゲシュタルト構築

全ての学習は全体と部分の関係性、つまりゲシュタルトの構築をすることにある。なのでフォークリフトの学科だからと言ってそれに限定された情報だけを使う必要はなく、脳内マッピングの構築には人生を総動員した知識、経験などを使用するべきだ。真面目系クズの典型的な例としては、講習のメモは取るがそれが何の意味もなしていないことがある。メモは脳内の内蔵HDDに入りきらない情報を一旦外部に記録しておくことだが、これは自分独自のゲシュタルト構築を目的としたノートとは根本的に違う。メモは言い換えれば板書を写真撮影すること、講習を録音すること、もしくは録画することと余り変わりがない。つまりそこには思考は必要ないのであって、テキストや講習で話されている内容を元に「瞑想学習法」で脳内マッピングし、ゲシュタルト構築をして思考をフル稼働している人間とは圧倒的な差が付く。さらにこの方法にはリアリティがあり、一つの知識が他の知識とも縦横無尽に結びついているので時間が経過しても忘れないという効果もある。といってもフォークリフトの学科試験はこんなことをしなくてもほぼ通るが、この「瞑想学習法」は何にでも応用が利く。

試験について

Google検索あり

個人的には学科試験は全てGoogle検索ありの状態でやれば良いと思っている。何故なら日常生活においてGoogle検索をできない状況は限られており、その検索能力も含めて問う方が実際の能力に近いからだ。またGoogle検索すればすぐに答えが出る問題は本来人間が解く必要のない問題であり、現代においてそういった出題をする意味は余りない。それは喩えて言うならば、人間の脳という内蔵HDDの記憶から答えを引っ張ってくるか、Googleという外付けHDDの記憶から答えを引っ張ってくるかの違いに過ぎず、簡単に言えば知識より知恵を問う問題を出題するべきということだ。ただ勘違いしてほしくないのは、これは知識を脳に蓄積することを否定しているわけではないということ。知恵というのは圧倒的な知識や経験の抽象化によって生まれるものであり、外付けHDDではなく内蔵HDDに知識を蓄積することの意味はそこにある。

学習精度と物差し

試験には実際の学習精度を測定する機能と人間の能力を測定する物差しとしての機能がある。前者は内発的動機づけ、自分自身がライバルであり、後者は外発的動機付け、他者がライバルである。Learningは前者を強化し、Educationは後者を強化しているとも言えるかもしれない。個人的には前者のスタイルが好きであるが、前者のスタイルを貫く者は、結果的に後者の競争においても圧倒的な成果を残すことが多い。何故なら好きは競争に勝るモチベーションの一番の源泉だからだ。

また事前に試験の答えを教えた上で、学習させていく方法には賛否両論がある。基本的に先程の前者の立場に立つなら肯定、後者の立場に立つなら否定ということになるだろう。何故なら前者は最終的に学習精度が上がれば良いが、後者は比較して優劣を付けるという違う目的があるため、それは不公平であるということにもなるからだ。確かにその試験が人生を左右するものであり、一方は答えを教えられた上での試験、もう一方は答えを教えられない上での試験であるならば不公平ということになるだろう。しかし人間の本来の学習は内発的動機づけに基づいてやるものであり、その意味で言えば試験の形式、学習方法、評価方法にはもっと現代に合致した多様性があっても良いように思う。

フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり: 連載記事リンク

「フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり 1: 学科編」

「フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり 2: 実技編」

「フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり 3: 実技編」

「フォークリフト運転技能講習修了証取得への道のり 4: 実技編」

フォークリフト運転士テキスト
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編者: 中央労働災害防止協会