酒瓶フェチ

缶とペットボトルと瓶

様々な種類の酒瓶を眺めていると、それらのデザインは多種多様で興味深いものに思えてくる。個人的には缶やペットボトルよりも瓶の方が好きだが、それは前者二つが画一的なデザインになりがちなことに比較して、後者は比較的実験性の高いデザインが試される傾向があるからかもしれない。また透き通ったもの、脆くて壊れやすいものが好きなので、透き通っていない缶や、丈夫で割れないペットボトルよりも瓶の方が好きだ。ちなみに大雑把に言えばリサイクルの優秀さとしては缶 > 瓶 > ペットボトルの順番、利便性の優秀さとしてはペットボトル > 缶 > 瓶の順番になる。また瓶には保証金があり、空瓶を引き取ってもらうとお金になることは知られているが、瓶にはリターナブル瓶 (R瓶) とワンウェイ瓶があり、前者はリユースが可能で、後者は前者と比較すると環境負荷が高いことは余り知られていない。以下では独断と偏見に基づき選別した5つの酒瓶を取り上げ、主にそれらの基本情報とデザインの良さについて簡潔にまとめてみる。

「Konb Creek」

「Konb Creek」

銘柄: 「Konb Creek」
アルコール度数: 50%
種類: バーボン・ウイスキー
メーカー名: サントリー
原産国名: アメリカ合衆国

「Konb Creek」の瓶のデザインで一番好きな点は蓋の形。全体的にハードボイルドな印象があり、バーボン・ウイスキーの渋いイメージとマッチしている。英字新聞的なデザインもベタだけど好き。ぱっと見た第一印象では二度見するインパクトがあり、それはデザインとしては優秀な証。9年という長期間の熟成が伝わってくる大人の一品。

「MISTIA」


銘柄: 「MISTIA」
アルコール度数: 15%
種類: マスカットリキュール
メーカー名: サントリー
原産国名: フランス

「MISTIA」の瓶のデザインで一番好きな点は逆三角形に近い形。瓶の幅は上部の方が広く、下部の方が細くなっている。この形はマスカットの形を模したものと考えられ、商品の内容とイメージの一致として良く考えられている。霧がかかったような瓶と切り絵のような文字と絵の質感も好き。サイズが小さければ中に化粧水が入っていると言われてもそこまで違和感がないので、普通に顔に塗ってしまいそう。

「Tanqueray」


銘柄: 「Tanqueray」
アルコール度数: 47.3%
種類: ドライ・ジン
メーカー名: キリンビール
原産国名: イギリス

「Tanqueray」の瓶のデザインで一番好きな点はシーリングスタンプの部分。元々シーリングスタンプの質感は好きで、印璽を捺印した際に封蝋の周囲の蝋が盛り上がる感じも好き。瓶の緑とシーリングスタンプの赤は色彩的にもバランスが取れている。限定版の「Tanqueray Bloomsbury」のデザインも色違いで良い感じ。

「Grant’s」


銘柄: 「Grant’s」
アルコール度数: 40%
種類: ウイスキー
メーカー名: William Grant & Sons
原産国名: イギリス

「Grant’s」の瓶のデザインで一番好きな点は三角形の瓶の形。「MISTIA」では縦方向に逆三角形の形だったのだけれど、「Grant’s」は横方向に三角形の形になっている。鈍器として使用したらバールのようなものの次くらいに強そう。「Glenfiddich」と似たようなデザインになっているが、メーカーがどちらもWilliam Grant & Sonsということで納得。

「Bombay Sapphire」


銘柄: 「Bombay Sapphire」
アルコール度数: 47%
種類: ドライ・ジン
メーカー名: Bombay Spirits Co., Ltd.
原産国名: イギリス

「Bombay Sapphire」の瓶のデザインで一番好きな点は瓶の色。サファイアの色彩をイメージしていると思われるが、かき氷を見るとブルーハワイを頼んでしまう精神構造を良く分かっている。液体の色とは不思議なもので、健康に悪そうな色でも時には美味しそうに見えてしまう。これは正しく記号が現実を改変している例であり、青 = 海、空、宝石などの連想も含めてイメージが刷り込まれている。それでも好きなものは好き。また「Bombay Sapphire」は50mlのミニチュアボトルも販売しており、それは結構かわいい。

個人的に好きな酒瓶の特徴

データの量は少ないけれど、個人的に好きな酒瓶の特徴を見てみると以下のようになった。

アルコール度数: 40〜50% (高め)
種類: ドライ・ジン
メーカー: サントリー
原産国: イギリス

瓶の形は三角形、逆三角形などの変形したタイプ、瓶の色は青、瓶の蓋やシーリングスタンプなどのオプションにアクセントのあるものが好きになる傾向がある。他にも昨年に刷新された「Beefeater Gin」のパッケージデザインのように、瓶の背景が表から透けて見えるようなタイプも好み。

酒との関わりとプロジェクトの種

ちなみに上記の酒は全て一度も飲んだことがない。禁酒はしていないが酒をほとんど飲まない理由は「魔法としてのカクテル」という記事で書いた通り。ただCDのジャケ買いと同じく酒瓶のパッケージ買いというのはありかもしれず、幼少期にひたすら海岸の石を集めていた収集癖のある人間としては酒瓶収集にはまりそうで怖い。また酒や酒瓶はプロジェクトの種な気もしていて、広くて高さのある空間でモーゼの十戒みたいに大量の酒を流し続ける、もしくは酒を使った滝行を行う「酒の滝」や、酒瓶を使ったインスタレーションをやったら面白そう。酒瓶は規格でありながら、徐々に衰退していく規格の象徴として捉えることも可能かもしれない。もしくは酒瓶が割れる音がとても綺麗だったので、環境音として捉えれば楽器としても使えそう。あとは倉庫内作業の過程に無駄が多いので、ディープラーニングの画像認識を使用して瓶や段ボールをAIが自動振り分けできるシステムを作ったら作業効率が格段に上がるかもしれない。「ボラバイト」と「リゾートバイト」の闇: 「ボラバイト編」「ボラバイト」と「リゾートバイト」の闇: 「リゾートバイト編」の連載記事で書いたように、働いた環境を元にしたアイディアがアート作品として昇華される率は個人的に非常に高い。これらのアイディアは今はプロジェクトの種に過ぎないけれど、今後もう少しコンセプトと実装の面を深めて、やれそうなタイミングでやってみる予定。

追記: 以前沖縄に滞在した際に琉球ガラス作りを体験する予定だったのだけれど、たまたま休日で代わりにシーサーの色付け体験をしたことがある。琉球ガラスは元々空き瓶を再利用することから作られた歴史があり、琉球ガラスに取り組んでみるのも面白そうな予感。